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表面処理について

チクマの電源ボックスやインシュレーターなどのアルミ合金を使用した製品には、表面処理を施していません。
(表面仕上げと表面処理とは別で、表面仕上げはヘアーライン仕上げをしています。)
アルマイト処理やメッキ処理は複雑な振動形態を招くなど、
音質性能という観点から見た場合"不必要なもの"を付加することになるため採用していません。

   

アルマイト処理について

アルミニウムに不純物やその他の元素が加わると、強さが容易に増大しますが耐食性が著しく低下します。
これを防ぐ代表的な方法として、アルマイト処理があります。
アルマイト処理はアルミ合金の表面に酸化皮膜をつくり、耐食性を発揮させるものです。
アルミ合金を陽極とし、希薄な酸を電解液として直流または交流で電解すれば、
発生する酸素によってアルミ合金の表面にアルミナの結晶膜ができます。
このアルマイト皮膜は一般的処理で3ミクロンから5ミクロン程度の厚さの皮膜で、きわめて硬質です。
このため、アルマイト処理は表面全体の皮膜が非常に高硬度になり複雑な振動形態を招きます。
これをオーディオ機器内に使用すると、アルマイト固有の音を付け加え、複雑な振動形態を招く要因になります。
以上の考察からオーディオ機器にアルミ合金を使用する場合は、
アルマイト処理に関して熟慮する必要があります。
チクマは音質的な影響のあるアルミ合金のシャーシに対して、アルマイト処理は施していません。

アルマイト処理無しで一般的な使用の範囲内であれば、
アルミ合金は部分的に数ミクロン単位の深さでの腐食が発生する場合はありますが、
鉄の様な破壊的な腐食は起こりませんので安心してご使用になれます。
もちろん、数ミクロン単位の腐食が発生しても、音質的にもほとんど影響ありません。
製品は、無臭の粘度の低いシリコン油を薄く塗って腐食防止をはかっています。