シャーシについて
シャーシ構造について
高忠実再生するにはメディアの中に込められた音楽や映像のを再生する過程で付加される、
様々な"不必要なもの"を取除く必要があります。その"不必要なもの"の一つに共振振動があります。
チクマの考える電源ボックスなどの最良のシャーシは、
シャーシ構造そのものに共振振動を減衰をする機能を持たせたシャーシです。
これを実現可能にし得るのが、
メカニカルアースの考えかたに基づいたシンプルな構造のシャーシを高剛性を持った材質を使用し、
高精度に製作・組立をすることです。
メカニカルアースとは重力方向に振動を伝えていくことです。
重力方向に振動をシンプルな振動形態で伝えていくことが"共振振動"の減衰になります。
なぜシンプルな構造がいいか。
それは、通電時のコンセントに発生する振動などの振動形態は、複雑な構造だと複雑に、
単純な構造だと単純になります。したがって、振動を減衰、制御するには単純な方がいいのです。
なぜ高剛性を持った素材がいいのか。
チクマの電源ボックスのシャーシはアルミ合金を使用しています。
そのアルミ合金も多数の種類があり、
その中でも剛性の強いものを組立た構造物の振動減衰特性が良いからです。
なぜ高精度に製作・組立することがいいのか。
振動形態を単純にし減衰・制御させるには、シンプルな構造です。
シンプルな構造であるからこそ、高精度で製作・組立し、そのシンプルさの精度が必要になります。
低精度では、シンプルな構造=単純な振動形態ではなくなります。
以上のようなシャーシ全体以外にもメカニカルアースの考え方に基づいた構造設計をしています。
電力伝送時にコンセント・インレットには振動が発生します。
コンセント・インレットそれぞれに対して、発生した振動を重力方向にシンプルな振動形態で伝えていくための
構造設計になっています。
コンセントは、底板に取り付けた振動減衰技術を取り入れたコンセント取り付け支柱に固定され、
その他のシャーシなどのパーツには一切触れない構造になっています。
インレットも同様に、底板以外接触しない状態で底板に固定したインレット取り付け板に、固定されています。
また、インシュレーター・ボード・コンセントプレートなども、同様の考えかたに基づいた、
構造自体が振動を減衰する構造になっています。
以上のような精度の高いシャーシを、チクマの職人が丁寧に一つ一つ製作しています。
シャーシ材質について
チクマの電源ボックスのシャーシやネジ・インシュレーターやボードやコンセントプレートなどの製品は
アルミ合金を使用しています。
チクマはアルミ合金は比重が小さく・剛性が高い・固有の響きが付加されにくいなどの
性能面やコストを含め考えた場合、シャーシ素材としては最も適していると考えています。
対して、真鍮・ステンレス・鉄等は実験と検証の結果、アルミ合金に比べ比重がかなり大きいので、
固有の響きが付加してしまいやすく機器のシャーシー材質としてはあまり向いないと考えています。
アルミ合金の中でも、チクマでは電源ボックスの上級機やインシュレーターやボード・コンセントベースに
A7075というアルミ合金を使用しています。
A7075(Al-Zn-Mg{7000系}は)超々ジュラルミンと呼ばれる最強のア ルミ合金で、
金型やロボットアーム・冶工具等などに用いられ、鋼材のS55Cとほぼ同等の硬度をもっています。
多種あるアルミ合金の中から、シャーシ材質として最も適したアルミ合金A7075を選択するに至るのに、
以下のような実験・検証しました。
同じ素材でも組み立てた構造物の振動減衰特性と単板の振動減衰特性は全く異なりますので、
素材の単板だけの減衰特性を比較せずにインシュレーターなどの構造物での比較をしました。
A6063 A6061 A5052 A5083 A2017 A2024 A7075 7種類のアルミ合金をそれぞれ使用したシールド板と
インシュレーターにチクマのオリジナル電磁界処理を施して残留応力の低減化・振動減衰特性も
大幅に変化した状態での検証の結果、音質性能の最も優れているのはA7075でした。
さらに、A7075材でもメーカーにより、音質的な性能にかなりの差があるため、
ある特定のメーカーのA7075材だけを使用しています。